「自分のアタマで考えよう」作者・ちきりん
を読みました。自分の意見がいえる人間になりたい。2023年12月2日読了。
目次
定義の違い
まず驚いたこと、自分の持つ「考えられる人」の定義が間違っていた。
定義が違うんやったらそりゃ考えられるようにはならん。
今までの自分が思う考えられる人は
「新しい情報に対して自分の持っている知識とくっつける」ことがスムーズな人
だったんですね。今思うと。
知識量が足りないから新たな情報とくっつかない→考えられないのだと思っていた。だからたくさん本を読んで知識を入れようとしていた。
なんということでしょう。違いました。
この本の中で言われている考えられる人とは
”新しい情報に触れた時、過去の知識ではなく、目の前の情報から考えることができる”人
そしてさらにこうも書いてあります。
自分の頭で考えること、それは「 知識と思考をはっきりと区別する」ことからはじまります
ちきりん. 自分のアタマで考えよう――知識にだまされない思考の技術 (Kindle Locations 302-303). ダイヤモンド社. Kindle Edition.
私はこの区別ができていなかった。
区別で思ったが、日本人ってけっこう曖昧を良しとするところない?なんでも区別つけるの苦手な人多くない?私だけ?
自分の中の定義に不安が生じたため、以下も頭によく刷り込もうと思います。
「考えること」「 思考」とは、インプットである情報をアウトプットである結論に 変換するプロセスを指します
ちきりん. 自分のアタマで考えよう――知識にだまされない思考の技術 (Kindle Locations 411-412). ダイヤモンド社. Kindle Edition.
「その時点での結論を出した」というのが、「考えた」ということです
ちきりん. 自分のアタマで考えよう――知識にだまされない思考の技術 (Kindle Locations 414-415). ダイヤモンド社. Kindle Edition.
「じゃあ、結論(=あなたの意見)はなに?」と聞かれたときに、なにも浮かんでこ ないのであれば、それはじつは考えていないのです
ちきりん. 自分のアタマで考えよう――知識にだまされない思考の技術 (Kindle Locations 416-417). ダイヤモンド社. Kindle Edition.
考える力をつけるにはどうしたらいいか
1番知りたいところです。
考える力をつけるもっとも有効な方法は(中略)時間の使い方を把握し、自分が考えることに使っている時間を「見える化」して、それを少しでも長くすること
ちきりん. 自分のアタマで考えよう――知識にだまされない思考の技術 (Kindle Locations 457-458). ダイヤモンド社. Kindle Edition.
スポーツや語学と同じでした。やるしかない。
この本に書いてある思考の方法をもとに、少しでも長く考える時間をとるしかない。
思考と料理は似ている
この本の中では例えとして料理の買い物や手順が少し出てきたんですが、確かに料理を作るのと自分の意見を作るのと流れが似てるんですよね。この本に出てきた思考方法なんかも一緒に自分なりに以下にまとめてみました。
ステップ①意思決定のプロセスを考える=レシピを考える
文章に落とせるくらい超具体的に。
「どんな情報(食材)があの意思決定(料理)に必要で、どんな情報は不要なのか」
「どの情報がどうであればどうする」という基準を明確にする。
判断基準は「目標の姿」から導かれる=どんなものが食べたいかで基準が決まる。
判断基準には優先順位をつけて、1つか2つに絞り込む。
判断基準が多いと決められないため。判断基準を絞ることで本質が浮かび上がる。
ステップ②情報収集する=食材をそろえる
インプットの段階。
ステップ①で明らかにした基準をもとに情報収集する
「情報の価値」とは「その情報によってわかること(得られるもの)の価値」
ステップ③情報をグラフ化する=下処理
グラフ化(下処理)する意義があるか考えて、必要であればする。
思考(料理)の生産性に大きな影響を与える作業。
階段グラフとプロセスを組み合わせるも有効。
ステップ④思考を言語化する=調理
アウトプットの段階。その時点での結論を出す。
思考方法
・知識と思考をはっきり区別する。知識が思考を邪魔していないか?
・プラスの面、マイナスの面、両方考えてみる
・思考のレベルをそろえる
・情報を見た時にまず以下2つを問う。特に数字の情報を見た時は必ず。
「なぜ?」:数字の背景を探る問い
「だからなんなの?」:データの先を考える問い。過去の結果がこの数字に表れているのなら、次はなにが起こるのか?それに対して自分はどうすべきなのか?
・比較する。すべての分析の始まりは比較
「なにとなにを比較するのか?」=対象の比較
「どのような点について比較するのか?」=比較の項目
☆比較の基本は縦と横
縦=時系列比較=歴史的な観点でものごとを見ること、
過去と現在、過去と現在と未来、過去と未来のあるべき姿
横=他者比較=国際的な視点で物事を見ること、
自他の比較(自分と他者、自社と他社、自国と他国)
☆プロセスの比較
ステップ⑤思考を視覚化する=盛り付け
この思考を図にするとどうなるかなと思いながら書いてみる。言語で考えていた時には抜け落ちていた部分について明確にする必要が出てくる。より思考を深められる。
あらゆる可能性を考えるための要素分解をし、分解図を使う。
「これらがそろえば○○だと言える!」と確信できるまでやる。
思考の棚
このネーミングはとても分かりやすいですよね。この言葉を選ぶとは、なんて言語化がうまいんだと感動しました。これが考える力かと。
この思考の棚について学べたことで頭の中の整理がしやすくなりました。
この本を読んで私がやるべきこと
・自分の1日の時間の使い方を記録し、少しでも長く思考の時間を作る
・情報収集や分析にかかったのと同じ時間だけ思考する
・目に留まった情報のうち、気にかかった情報に関してだけでも
「なぜ?」「だからなんなの?」と考えるクセをつける
・新たな情報が手に入ったときに、その情報に適した「思考の棚」を考えてみる
そしてその棚が埋まったらいえる結論まで考えてみる
・古典や歴史的な名著を読む前にその内容について考えてみる
・調べればわかることも考える
世の中には「過去のデータはあるけれど、 誰も将来を予測していない」分野もあり ます。そういったときに「自分の頭で考えて予測できる力」があれば、将来に向けて 準備や投資ができるようになります
ちきりん. 自分のアタマで考えよう――知識にだまされない思考の技術 (Kindle Locations 671-673). ダイヤモンド社. Kindle Edition.
またビジネスに関することであれば、誰かが予想し、それが新聞に載ってから動きはじめていては出遅れてしまいます。自分で考えることができれば、他者に先んじて準備を整えられます
ちきりん. 自分のアタマで考えよう――知識にだまされない思考の技術 (Kindle Locations 673-674). ダイヤモンド社. Kindle Edition.
最後に
思考以外の部分でへーっ!と思ったのが、アメリカと日本の評価方法の違いについて書いてあったところです。
「失敗経験がある人は、その失敗から正しいやり方を学んでいるはず」という理屈で 評価するシリコンバレーなどと日本は大きく異なります。日本では失敗は結果です が、彼の地では失敗は「正しい方法論の学びの機会」です。
ちきりん. 自分のアタマで考えよう――知識にだまされない思考の技術 (Kindle Locations 862-864). ダイヤモンド社. Kindle Edition.
自分の意見を言うのが苦手で失敗もしてきましたが、正しい思考法の学びの機会としてこの本に出合えてよかったと思います。
以上。