【ネタバレあり】映画「LAMB」の感想

監督・脚本ヴァルディミール・ヨハンソン、脚本ショーン。2021年公開。Netflixにて2024年1月7日鑑賞。

 

ホラー映画としてジャンル分けされていたけれど、ホラーっぽくなかった。正直よく分からない。淡々としていて北欧っぽい。そして切ない。何度か泣いた。

 

広大な何もない山間の土地で2人だけで羊を飼っている夫婦のマリアとイングヴァル。この夫婦がいつものように羊の出産に立ち会い子どもを取り上げたところ、半分羊で半分人間の子どもが生まれる。夫婦はその子を自分たちの子として育て、アダと名付ける。この家族の行く末は……?というのがあらすじ。

 

この映画を観て分かったことは「洋画のホラーをみてなんかよく分からん場合はキリスト教ギリシャ神話に関する己の知識不足を疑え」ということ。

 

至る所にキリスト教ギリシャ神話のモチーフが散りばめられていたらしいがゴリゴリの日本人で宗教にも疎いため全然わかってなかった。以前「ヘレディタリー」を観た時を思い出す。あれもなんかよく分からんと思っていたら、悪魔(しかも西洋でもマイナーなやつ)がモチーフになっていたようだった。

 

ただ、半人半羊のアダが寝室の羊の群れを連れる人間の写真を見ているシーンなんかは宗教関係なく刺さるのではないかと思った。アダの表情には幼い子らしい疑問の色と悲しみが見えるような気もする。自分と同じ血が流れる羊が人より下の扱いを受けている姿を見るのは複雑だろう。複数のルーツを持つ国際児のアイデンティティの揺らぎもこのように起きるのだろうか。

 

以上。